愛する猫を失ったとき、最期のお別れの時間はどれほど大切かは言葉で言い尽くせません。
火葬までの時間、遺体をできるだけ清らかな状態で保ってあげたい。
そんな思いを抱える飼い主様のために、ドライアイスを使った正しい方法と注意点を、実用的にまとめました。

目次(例)
- なぜドライアイスを使うのか?
- 猫の体格や安置期間に合わせて選べるセット
- 猫の遺体を安置する前にやること
- ドライアイスを使った安置手順
- ドライアイス使用時の注意点
- 緊急時・代替策
- 心を込めたお見送りの工夫
- まとめ・お願い
1. なぜドライアイスを使うのか?
- ドライアイスは固体の二酸化炭素で、温度は約 −78.5 ℃ に達します。
- 通常の氷や保冷剤と違い、溶けて液体にならず気体化するため、遺体が水に濡れてしまうリスクが低いという利点があります。
- 特に夏場など、気温が高く腐敗が進みやすい環境下では、ドライアイスによる冷却力が非常に有効とされています。
- 一方で、取り扱いを誤ると凍傷や酸欠の危険もあるため、慎重に使う必要があります。
2. 猫の体格や安置期間に合わせて選べるセット
愛猫の体格や安置する日数に合わせて、「棺のサイズ」 と 「ドライアイスの量」 を選ぶことができます。弊社(ドライアイス販売店アイスライン)のペット安置カテゴリでは、棺は「小」「大」の2種類が用意されており、ドライアイス量も複数セットが掲載されています。
🐾 子猫、雌の成猫用(棺:小サイズ)
小さな体の猫ちゃんにちょうど良いサイズのセットです。
専用の小型棺に加え、冷却力をしっかり確保できるよう ドライアイス約10kg(2.5kg×4枚) が付属しています。
- セット内容:小型棺・ドライアイス10kg(2.5kg×4枚)・敷布団
- 棺の大きさ:44.5cm×27cm×21cm
- ドライアイスの大きさ:約24cm × 約12cm × 約6cm x 4個
- 安置可能期間:約2日
https://www.dry-ice.jp/view/item/000000000023?category_page_id=ct5
🐾 成猫用(棺:大サイズ)
雄の成猫や体格のしっかりした猫ちゃんには、ゆとりある大サイズを。
ドライアイス10kg(2.5kg×4枚) が付属し、内臓部や体全体をしっかり冷却できます。
- セット内容:大型棺・ドライアイス10kg(2.5kg×4枚)・敷布団
- 棺の大きさ:68.5cm×36cm×25cm
- ドライアイスの大きさ:約24cm × 約12cm × 約6cm x 4個
- 安置可能期間: 約2日
https://www.dry-ice.jp/view/item/000000000026
ドライアイス使用量の目安

長期間の安置の場合、ドライアイスは時間とともに昇華(気化)して少なくなるため、安置期間に合わせて補充が必要です。
また、棺内をしっかり冷却するためには、お腹の下や胸のあたりに配置することが効果的です。
必要に応じて、追加のドライアイス(単品販売)もあわせてご利用ください。
https://www.dry-ice.jp/view/category/ct5
3. 猫の遺体を安置する前にやること
ドライアイスを使う前に、以下の準備を丁寧に行うと、より美しく安置できます:
- 遺体を清める
やわらかく絞った清潔なタオルなどで、顔や体全体をやさしく拭いてあげます。遺体から体液の滲みがある場合は、ガーゼや脱脂綿で吸収してあげてもよいでしょう。 - 目や口を閉じる
目を閉じていない場合は、そっとまぶたを閉じてあげたり、ガーゼで覆ってあげると、安置したときの印象が穏やかになります。 - 四肢の配置
四肢や尻尾が自然な位置になるよう、無理なく整えてあげます。 - 安置容器(棺、箱など)の準備
段ボールや木箱でも構いませんが、底にペットシートやビニールを重ね、給水性のあるタオルや布を敷いておくと、体液の流出を抑えられます。
外気が直接当たらないように、箱を覆う布やタオルも用意しておくとよいでしょう。 - 換気と室温の管理
安置中は密閉しすぎないようにし、適度な換気を確保します。室温が高すぎると冷却効果が落ちるため、冷房で20〜25 ℃程度に保つのが望ましい環境です。
4. ドライアイスを使った安置手順
以下は、猫を対象とした安置手順の一例です:
- ドライアイスを新聞紙や厚めの紙、布で包む(直接触れないように)
- 安置容器(棺など)に遺体をそっと入れる
- お腹・腰・胸元あたりにドライアイスを配置する(腐敗は内臓付近から進むため)
- ドライアイスを底部や縁にも配置する(冷気は下に下がる性質があるため)
- 遺体の上にタオルや布をかけて、冷気が逃げにくいように覆う
- 容器のフタをゆるく閉める(完全密閉は避け、二酸化炭素がこもらないよう隙間を確保する)
5. ドライアイス使用時の注意点
ドライアイスは強力な冷却効果を持ちますが、その反面、以下の点に注意が必要です:
- 素手で触らないこと
凍傷の危険があります。乾いた軍手や厚手の手袋を必ず使用してください。 - 過剰な冷却に注意
特に小さな猫に対してドライアイスを入れすぎると、遺体が極端に硬くなったり、組織が壊れる恐れがあります。適量を守りましょう。 - 密閉しすぎないこと
ドライアイスが気化して二酸化炭素ガスになるため、密閉状態ではガスがこもり、酸欠リスクが生じます。十分な空気の流れを確保してください。 - 定期点検と補充
ドライアイスは徐々に昇華(気化)して減っていきます。安置中は定期的にドライアイスの残量をチェックし、必要に応じて追加補充を行いましょう。 - 換気管理
使用中は定期的な換気を必ず行ってください。特に子どもや他のペットがいる環境では注意が必要です。 - 火葬業者の対応確認
使用した棺や添え物(装飾品・金属部品など)が火葬炉で使えない可能性があるため、事前に火葬業者に確認しておくと安心です。
6. 緊急時・代替策
もしドライアイスをすぐに入手できない場合は、以下のような代替策もあります。
- 保冷剤(凍らせた保冷パック)
強冷タイプの保冷剤を複数使用して、定期的に交換することで短期間は安置が可能です。 - 氷+冷蔵庫(条件に注意)
ご遺体を冷蔵庫に入れるか、氷を当てる方法もありますが、冷蔵庫内の衛生管理や霜・乾燥への対応が必要です。 - ペット葬儀業者への一時預かりを相談
ご自宅での安置が難しい場合、葬儀業者に一時的に遺体を預かってもらえるケースもあります。
7. 心を込めたお見送りの工夫
冷却以外にも、最後の時間を穏やかに過ごすための工夫をいくつかご紹介します。
- 生前好きだったおもちゃや小物(布製のものなど、火葬可能なもの)をそっと棺に添える
- 香りの穏やかな花(小さなドライフラワーなど)を棺に添える
- 棺の内側やまわりに手書きメッセージカードをしのばせる
- 静かな音楽を流したり、思い出の写真をそばに置く
- 安置中はできるだけ静かな環境を保ち、愛猫との最期の時間をゆっくり過ごす
ただし、装飾物や素材は火葬対応を確認した上で使うよう注意しましょう。
8. まとめ・お願い
猫の最期を見送る過程は、悲しみや戸惑いで心が揺さぶられる時間です。しかし、適切な安置を行うことで、ご遺体をできるだけ穏やかな状態で保ち、最後のお別れを清らかに迎えることができます。
本記事でご紹介した方法をもとに、ドライアイス付きの安置セットをご活用いただければ、初めての方でも比較的安心して準備を進められるかと思います。










